銭ゲバ

ついに緑(ミムラ)が荻野(宮川大輔)に接触したことにより、風太郎(松山ケンイチ)の正体を知り、それを茜(木南晴夏 )に教えた時の茜がすごかったです。
「お金のために私に近づいただろうってことは何となくわかってた。風太郎さんがどんな人だろうがどうでもいいの。人殺しだってかまわない。私は風太郎さんを愛してるの。そしていつか風太郎さんに愛してもらいたいの。お姉ちゃんにはきっとわからないよ」
ちょっとうろ覚えなんで違うと思うんですけど、おおよそこんな感じのことを茜はいうわけです。ちょっと鳥肌立っちゃいました。正直、茜っていうのは風太郎に利用されるだけのキャラなのかなって思ってたから、茜の芯の強さが怖かったです。弱そうに見えて実はめちゃくちゃ強いのが茜なら、自分の信念をちゃんと持って揺るがない強い女性と思わせておいて、実は弱かったのが緑。ラストシーンでは車いすに乗って廃人同然になってました。綺麗なものだけを見て世界はそうやって成り立っていると思っていた緑には、父の死という決定的なものを目の前に世界と自分を繋ぐことができなくなってしまったのでしょうね。
そして、風太郎は自分が信じて憎み続けてきたお金に対しての疑問を屋上から人々にお金をばらまいてその様を見ることによって、自分はやはり間違っていないと自己肯定をしています。人は皆、お金を目の前にしたら醜くなるものだ、だから自分の生き方は間違っていないと無理やり捻じ込む風太郎の笑い声には何とも言えない悲しみが混じっているように感じます。
それにしても松ケン、風太郎のにたーっとした笑いがかなり板についてきていてちょっと怖いぐらい。この笑顔を見るとうわーきたーって思っちゃう。