目覚めよと人魚は歌う

目覚めよと人魚は歌う (新潮文庫)

目覚めよと人魚は歌う (新潮文庫)

恋人との濃かった日々を懐かしんで壊れてしまった糖子と日系ペルー人の宿命を背負ったヒヨヒトの話。第13回三島由紀夫賞受賞。文学的な小説でした。日本が舞台なのに、どこか遠い異国の話を読んでるようで、不思議な気分の本です。

「ヒヨには、一緒にいるってことがどういうことなのか、まるでわかってないんだ。わたしは時々ヒヨといても寂しくなる。一人で勝手に鬱ぎこんで、わたしなんかいなくてもいいみたいで。そうやってあんたはずっと一人でいたいんでしょ」

ヒヨヒトとともに逃げてきた恋人あなが、投げかけた言葉。女子ってこういうこと思ったりするよね。寂しいんだよね。だから、女は群れたがるわけです。