アイシテル〜海容〜

うーんうーんうううーんと唸りながらの最終回でした。キヨタン一家も野口家もあの事件をばねに新しい未来へと歩みだしたのでした☆ めでたしめでたし。ってそんなわけないし。これってキヨタン一家、とくにキヨタンママ(板谷由夏)が恨みという感情にとらわれなかったおかげでこのエンディングを迎えることができたわけで、そうじゃないパターンだったらどうしてたのか。キヨタンママを主人公にせず、さつき(稲森いずみ)を主人公にしたからにはそこのところをもっと踏み込んで欲しかったです。生きることを許されたとはいえ、日のあたる場所で胸を張って加害者が生きている辛さを想像して生きてかなきゃいけないわけで、さつきにその覚悟があるのか疑問。もっともっとキヨタン一家に対して配慮が必要なのではないかと。だってこれから先智也(嘉数一星)は辛いこと苦しいこと悲しいこともたくさんあるけど、楽しいこと嬉しいこと幸せなことだってきっとたくさん経験できるはずで、キヨタン(佐藤詩音)にはそれがない。重い十字架を背負ってしまったという悲痛さが足りない気がしました。
加害者側に立ってドラマを作るのって思ってた以上に難しいと感じました。どう作っても視聴者は被害者側に感情を動かされやすいし、それをどう見せていくのかというのはハードルが高いものです。今回は、母息子に関係を絞ったせいでさつきの周りの人たちが皆さつきにとって都合よく動く人に見えて仕方がなかったです。だって現実ってもっと厳しいもの。リアルとファンタジーのさじ加減をもうちょっとうまくやってくれたらなあ。