- 作者: 辻村深月
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/12/15
- メディア: 単行本
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今までは辻村深月は子供の閉塞感であったり残酷さ、悪意をうまく描く作家だという印象でした。その印象は今も変わりはないけれど、そこから更に一歩違ったステージに踏み出したのかなあと思います。女子ヒエラルキーの辛さ、空気を読むということ、自分のポジションを常に確認して行動しなきゃいけないような不文律などが描かれていて痛いなあと思うと同時に、ちょっとぞっともしました。私は彼女らを心の汚い人間だと切り捨てることなんてできやしない。だって彼女らの汚い部分は少しずつ私にもリンクしているのだから。妬みや僻み、自己防衛のための小さなウソ。これらをしたことない人っているのだろうか。グロテスクな鏡を見るような思いで読み進めました。
最後は辻村作品らしい救いが用意されてはいたけど、今までとはちょっと違った感想を持った『太陽の坐る場所』。また何年かしたら読み返してみたいと思います。