曲げられない女

見終わってみればなんだかんだで大団円の最終回でした。早紀(菅野美穂)が司法試験落ちてもう2度と試験は受けないってなったとこでは、曲げられない女が曲げざるをえなくなっちゃったっていうのを描いてラストいくのかなーと思ったけどそうは問屋がおろしません。璃子永作博美)の人を幸せにするための嘘で早紀が再度、司法試験を目指していくことを決めるってとこは女優二人の大熱演で満足。実際問題、産院であんだけギャーギャー叫んでる人がいただ大迷惑だけど、それはまあ、ファンタジーだから(笑) 他にも乳飲み子抱えて司法試験の勉強なんかできるの?とか、救急車で搬送されてくなんて早紀と赤ちゃん大丈夫?と思ったらあっさり何事もなく超安産出産だとか色々あるわけだけど。でもそういうのをつっこむドラマじゃないんだしね。登場人物の描き方にリアリティさえあれば、ちょっとのご都合主義はファンタジーとして受け入れるタイプなので割と平気でした。
早紀が六法全書をしまうシーンは私ももらい泣き。菅野ちゃんは本当にうまいですね。あそこのシーンはうるさい音楽をつけたりすることなくてすーっと入っていけました。
産院での早紀と正登(塚本高史)のやり取り見たら、そりゃ藍田(谷原章介)の入る隙はないよねーと納得せざるをえませんでした。藍田はあくまで早紀とは唯一無二の友だちであって娘の父親にはなりえないんですよね。それは正登以外、あり得ない。正登が改心しなかったとしても、それは変わらなかったんじゃないかなーと思います。
璃子と藍田がくっついたっていうのと横谷さん(能世あんな)の没落エピはいらなかったんじゃないかなーと思います。特に横谷さん。彼女は早紀たちと違ったタイプの人間でわかりやすいステレオタイプな人物として描かれてきたわけだけど、横谷さんなりの幸せの道を行ったっていうので終わらせてくれたほうのが後味よかったのに。何も早紀的な生き方がすべて正しいわけじゃないんだし。ここに遊川さんの悪意を感じますね。
全体としては前半のほうのが好きでした。ティッシュ横置いてみなきゃってぐらい泣いたし。3ヶ月間、水曜日を楽しみにドラマを見ることができてよかったです。楽しかったなあ。