- 作者: 乾ルカ,くまおり純
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2011/01/26
- メディア: 単行本
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私の好みは「特別ではなく」と「雪と桜」。「特別ではなく」は美奈子と美耶と同じクラスの優等生史恵の話。
あたしがあたしであることに、何も変わりはないのだから。
この言葉がこれまたぐっとくるのなんのって。この言葉は非常にありふれた使い古されたフレーズだというのに、そこに至る心の機敏がが丁寧に描かれているおかげで手癖が出た言葉に感じないのです。こういうとこ好きだなあと思います。
「雪と桜」は美奈子の母が語り手の話。
あなたなら、きっと乗り越えられると信じていた。
その手はもう自由よ。
だから、お母さんは今、とっても穏やかなの。(略)
美奈子、あなたは一人じゃないわ。
お母さん、なによりそれが嬉しい。
これはもう涙なしには読めませんでした。書かれている風景が頭に浮かんできてそれが絵になるものだから余計に泣けてきてねえ。たぶんだけど私が余分に感情移入し過ぎてるせいもあるとは思うんですが。あーもうたまんない。