- 作者: 三島由紀夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1991/12/04
- メディア: 文庫
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世の中の人間は、みんな自分勝手の目的に向かって邁進しており、他人に関心を持つのはよほど例外的だ、とわかったときに、はじめてあなたの書く手紙にはいきいきとした力がすなわり、人の心を揺すぶる手紙がかけるようになるのです。
これはラストの「作者から読者への手紙」からの引用。なーるほどなるほど! さすが三島由紀夫面白いこというなあと思いました。そうだよね、みな基本は自分勝手だよね、他人のことになんて実はさほど関心なんかもっちゃいないよ。しかし、それを踏まえてこそ一歩先に進めるのだというのが作家らしいなあと思いました。誰かに関心を持ってもらえる文章なんてそんな簡単には産みだすことなんてできない。だからこそ、そういった言葉達を生み出していく人の事が私は好きなのだと改めて確認したのでした。