- 作者: 川端裕人
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2011/07/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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先生を育てるのは子供や学校管理職だけではなく親も然りであるというくだりにはドキッとしました。新任の先生が担任になるというのは親としては正直心もとないことです。やっぱり経験ある先生に見て欲しいなあって思ってしまうもの。だけど、1年目の教師がいなければいずれ学校から教師がいなくなってしまうという言葉にはハッとしました。どんなに素晴らしいベテラン先生だって最初は新人だったんだもの。その時代があるからこそ、今がある。そういうことを私たちはつい忘れてしまうんです。この本の中で明かされる旧2年2組で何が起こりなぜ先生は学校を去ってしまったの真相には胸が詰まりました。先生の指導力不足経験不足もあったものの、同僚や管理職の教師たち、保護者によって彼女はつぶれてしまった。決して子供たちから嫌われていたわけじゃないのに子供が嫌いだったわけじゃないのに学校にいられなくなってしまったくだりは読んでて辛かったです。
長女は幼稚園時代小学校時代と合わせて3度新任の先生に担任してもらっています。まあ確かに新任の先生って正直にいえば頼りなかったりしました。特に2年生の時の新任の先生は4月末の家庭訪問の時には自分のことでいっぱいいっぱいでとても子供たちのことまで目が回らない状態だったし。ベテラン先生にも担任してもらったことがあるけど、同じ時期にもかかわらずちゃんと子供たちの事を把握しててさすがだなあと思ったのに比べるとやっぱりちょっと凹んだりもしました。だけど、子供たちはその先生のこと大好きだったんですよね。学年が変わり担任から外れても「先生遊ぼー!」っていう子たちがいて長女も「○○先生のクラスいいなー」と今でもいうくらい。たとえ親から見て拙い部分が気になろうが子供たちが先生のことを信頼して学校って楽しいなって思えるのならば、私はそれで十分です。新任の先生が指導力や経験が足りないのはそれは仕方がないことだもの。その代わり、新任の先生は一生懸命やってくれます。足りないものを補うために。だったら私たち保護者はそれをサポートしていけるようにしたほうのがずっといい。意図せずとも結果として親が先生をつぶしてしまうよりかはそのほうがずっと良い結果をえられると思うから。
この本の中では子供たちの問題も描かれるんだけど、学校がどこまで踏み込めばいいのか踏み込むことが許されるのかって難しいことだなあと改めて感じました。家庭の事情に踏み込むのは並大抵の覚悟ではできないし外部の人間にできることは実はそう多くはないのかもしれない。
- 作者: レオ・レオニ,谷川俊太郎
- 出版社/メーカー: 好学社
- 発売日: 1969/04/01
- メディア: ハードカバー
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あれもこれもってちょっと欲張っちゃったかなーという感じがしないでもないけれど、私にはすごく響いた物語でした。