きみの友達

きみの友だち

きみの友だち

小学校4年生の雨の日の交通事故で松葉づえ生活になった恵美とその周りの子供たちを描いた連作短編集。面白かったです。重松清ってなんでこんなに子供たちの世界を上手く描けるのでしょうか。男の子だけでなく女の子の世界まで描けるのはすごいです。女の子は女の子で男の子とは違った嫌な集団だったリする面もあるわけで、それは中にいないとわからないものだったりします。途中、

きみは「みんな」を信じないし、頼らない。一人ひとりの子は悪くない。

という文章が出てくるのだけど、すごくわかる気がします。そう、「みんな」は怖いものなんです。集団になったとたん、変な力を持って誰かをはじいたり悪意を出してきたりします。1人ではそんなことはしない子がたくさん集まって「みんな」になったとたん、変わってしまう怖さ。「みんなぼっち」ってうまい言葉だなーと思いました。