建てて、いい?

建てて、いい?

建てて、いい?

30代半ばの独身OLが一戸建てを建てる話。割とサクサクと読めました。自分の居場所が欲しいという気持ちはわかるけど、だから一戸建て建てたい!って言うのは突飛な気がするなあ。現実問題、叔母が譲ってくれるっていう中野のマンションに住むのが働く女性の終の棲家のような気が。だって飯能ですよ。あまり首都圏に土地勘ない私でも通勤考えたら嫌になっちゃいそう。おまけに建築士と一緒に考えた家は2階がキッチンとリビングだなんて、年取ったら大変そう。素敵ハウスなのはわかるけど、何だか住みにくそうな家です。福島さん(建築士)、理想も大事だけどバリアフリーも大切にしてくださいね、と言いたくなります。ちょっと面白かったのは、ゲイだと思っていた福島さんがノンケで結婚間近の彼女がいたというあたり。予防線張って惚れないようにと主人公が思っていたから初対面の時、そう見えてたっていうのがなるほどなーと。
同時収録の「彼の宅急便」のほうのが好みでした。現実ってそうだよなあと。最後、主人公が元彼とさっぱり「切れた」のが心地よかったです。