ほかに誰がいる

ほかに誰がいる (幻冬舎文庫)

ほかに誰がいる (幻冬舎文庫)

親友を病的に愛してしまった少女の話。主人公えりは痛くて痛くてたまらない少女なんだけど、でもこの痛さこそが、少女そのもののような気がします。何かを病的にまで愛してしまったり、その思い込みの深さからどんどんのめり込んでしまって間違いに気付かず突き進んでしまうところとか。そのためには人を傷つけることを厭わなかったり自分の傷さえ、省みなかったりすることもあったりで若さならではの感じがたまらないのです。病的なまでに何かに一途になれるのって人生の中でほんのちょっとの時期だったんだよなあと振り返って思うのでした。