真夜中の五分前 side-B

真夜中の五分前―five minutes to tomorrow〈side‐B〉 (新潮文庫)

真夜中の五分前―five minutes to tomorrow〈side‐B〉 (新潮文庫)

一瞬確認するような間があってから、まあ、あんたがいいって言うならそれで、というような顔で、自動ドアはするりと二つに割れた。

またあんたか、というような顔で自動ドアは僕を迎えた。僕は彼を無視してインターフォンで尾崎さんの部屋番号を押した。そりゃないだろ? 何の応答もないままに、そんな顔をして自動ドアが二つに割れた。

恋人の死に浸ってる主人公が好きな人は好きなんだろうと思います。だけど、こんな感じの文章が私は苦手なんです。いいじゃん、普通に「マンションの自動ドアが開いた」で。主人公のあふれんばかりの自意識を自動ドアにまで反映させなくてもいいのになあ。