金のゆりかご

金のゆりかご (集英社文庫)

金のゆりかご (集英社文庫)

面白かった! 途中まではちょっと展開がゆったりだなあと思うけど、終盤のたたみかけるようなどんでん返しの繰り返しは楽しかったです。これが真相だと思っていたことが何度もひっくり返される心地よさといったら! 私はこれが好きだから、ミステリを読むんだなあと再認識しました。
テーマは幼児への早期教育の是非。私は子供の可能性を広げてあげたいという意味では、ある程度はありなのかなあと思うけど、この本に描かれてることはありえない派。幼児期ってすごく大事な時期だからこそ、色々な経験をさせてあげたい。それは勉強に限らず、色々な所へ出掛けたり触れたり色んな人に出会ったり。
「自分は幼稚園で晴れの日も雨の日も教室で勉強な様な事をさせられていた。本当は、外でたくさん遊びたかったのに。だから、自分の子供はのびのびと育てたい。たくさん泥んこ遊びをしたり、思いっきり外で走り回れるような幼稚園に入れたいと思っている」
ある人からそういう話を聞いたとき、早期教育っていうのもなかなか難しいものだなあと感じました。どんな教育を受けるにせよ、受けた本人が肯定できるような教育が望ましいのだろうけど、でもそれって理想論だしね。