- 作者: 坂木司
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2009/04/09
- メディア: 文庫
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悪くはないとは思うけど、いまいち入り込めずって感じ。私は悪意のある話ってやつが大好きなので、出てくる人たちが皆いい人っていうのはちょっと物足りなかったです。どれかひとつくらい、底意地の悪い悪意がある話を入れたとしても、物語全体としてそんなにバランス悪くならなかった気がすると思うのですが。なんていうか、パンチ不足。思いっきりのアッパーパンチを食らいたいんです、本にはというか特にミステリには。
あと、ヒロインのキャラが好きじゃなかったっていうのが大きいのかなーと。ヒロインの一人称で物語が進むのだけど、これがなあちょっと鬱陶しい。たとえて言うなら、コバルト文庫を読んでるみたいでした。いや、私コバルト嫌いじゃないですよ。中高生の頃読んでたし。10代の頃にああいう小説を読むっていうのは必要だったような気もするし。何が言いたいかというと、全く同じ話をヒロインの一人称ではなくて三人称のあっさりした文章で書いてたらもっと違う印象ではなかったのかと思うのです。とうに10代を過ぎてしまった身としては、そう思うのです。うーん、相性悪いのかなあ。