ガール・ミーツ・ガール

ガール・ミーツ・ガール

ガール・ミーツ・ガール

音楽小説。読みやすかったし、爽やかなお話だったと思います。ただ、父親の話がすごくうまくいきすぎててなんだかなあという気にはなりました。それと、一番気になったのは、文体のこと。主人公夏美の一人称と夏美のマネージャー宮原の視点での三人称の2つを使って描かれてるんだけど、夏美の一人称の文章がどうにも気になってたまらなかったです。読みやすいんだけど、こんな若い女の子の自意識丸出しの文章を読んでるのはちょっといらっとするというか。もうちょっと落ち着いた文章に仕上げてあったらそうは思わなかったんだろうけど、そうなると夏美のキャラの問題が出てくるんだろうなあ。宮原視点の三人称の文章は嫌いじゃないので、そういう文章で全部書いてあったらもっと私はこの話が好きだったと思う。あーでも一番の違和感は男の人が女の子の一人称で書いてるってこと自体なのかもしれません。何だろう、頑張って書いてるんだろうけどなんだか違うって感じてしまう。女の子主人公にした三人称の話だったら、そうは思わなかったのかもしれません。三人称で書かれた夏美自体にはそんなに違和感はなかったので。