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作中で繰り返し藤子は強く思うのです、母親のようにはならないと。自分を虐待して平気でいたあの母親みたいな人間にならずに自分は幸せになるのだと。あんな生活を自分は絶対送らないのだと。しかし、藤子は気がつけば母親の人生をなぞっていくばかり。ここに母娘の業の深さというのが見てとれます。人は育ったようにしか生きられない。娘は母親の人生をなぞるものだ。悲しいかな、それも真実のうちの一つだと思います。
娘が赤ちゃん時代を終え、大きくなってきて徐々に人格が育っていくのを見るにつれてそう感じるようになりました。元々、長女は赤ちゃん時代は私ではなく旦那にそっくりだったのに、今や私に似てきています。それは顔の造作が変わったからということよりも、性格が私に似てきたからのような気がしてなりません。しゃべり方やちょっとしたところなんかが自分のコピーみたいで見ててちょっと怖い。いや、娘は娘で私とは全然違う人間だし、見ていてこういうものの見方は私にはなかったなあと感心することもあります。娘を自分の人形みたいにする気はさらさらないし、ちゃんと自分の足で歩ける人間になって欲しいと思ってます。
だけど、母と娘の間にある業っていうのは思っている以上に深いのではと最近思うようになりました。これが母と息子だったらもうちょっと距離はとれるのかもしれない。でも娘との距離は近すぎるが故に危険。これから先、縛らずにうまくやっていくためにはきっと想像以上に困難があるのではないのだろうかと感じてます。特に、私と長女は第一子で長女である点が似ているから、気をつけなきゃなあ。次女に対してはもうちょっと距離を持って見れるんだけど。