ヒトリシズカ

ヒトリシズカ

ヒトリシズカ

短編を重ねていってそれがひとつの少女に繋がっていく過程は読んでて背中がぞくっとして面白かったです。まさにダークサイドのヒロインって感じで、行くとこまでいっちゃった彼女が最後どうなるのか気になって一気に読めました。結果、うーん、最後の章は余分じゃなかろうかという気がしてなりません。せっかくここまで静加を描いてきたのが安っぽいとはいわないが人情話みたいのでおとしちゃったのはもったいないなあ。とことん描きぬいて読後感が悪いものになることを予測して読んだだけになんだか肩すかしをくらった気分。もちろん、このラストは静加も人間っぽいとこあったんだなあと思わせて読者をほっとさせるものにしたかったからなのかもしれないとは思います。でもでもせっかく加速度つけて飛ばしてきたのにと思っちゃう私は、底意地の悪い人間なんだろうなあ、きっと。