孤虫症

孤虫症 (講談社文庫)

孤虫症 (講談社文庫)

久しぶりに気持ちの悪い話でした。虫の描写がえぐくてえぐくて。虫嫌いな人は読まないほうがいいかもしれません。本当に気持ち悪いので。ミステリというか、むしろホラーって感じ。ホラーを克服したと思ってたけど、大間違いでした。やっぱ怖いよ。
話としては、私の大好きなどんでん返しも叙述トリックもあるし面白かったです。女のいやーなところをこれでもかって描いてるところも好き。桐野夏生とどっちが好きかと聞かれたらちょっと迷うかもしれないぐらいの勢いでよかったです。読後感はすこぶる悪いんだけど、本の世界にどっぷりつかれたし面白い本でした。メフィスト賞ってこれだから見逃せないなあ。
あと、私は図書館で単行本を借りて読んだんだけど、表紙のブツブツが薄気味悪い感じがしてよかったです。触るとぞくっとするもの。ちゃんと装丁凝って作ってあるとこがいいですね。やっぱ愛を持って作ってある本は読み手としても嬉しいものです。