コールドゲーム

コールドゲーム (新潮文庫)

４年前のクラスメートだった仲間たちが次々に襲われていく中、犯人として浮かび上がってきたのはいじめられっ子だった少年の名前。果たして主人公たちは彼の復讐を止めることができるのか？
イジメものの小説としては私はこれはありだと思います。ラストがちょっと甘いなあとは思うものの、全体としては面白かったと思うし。いじめは加害者被害者問わず人生を狂わすものだ。ときには恐ろしいモンスターを生むことだって十分にあり得る。クライマックスのシーンなんかはいじめの総合的な恐ろしさがよく出ていているが為に怖かったです。もちろん、グロイっていうのもあったんだけどそれ以上に、いじめの後遺症の恐ろしさのために読んでて背筋がぞわってしました。イジメなんかやっていいことなんか何一つないんだよ。加害者だろうが被害者だろうが傍観者だろうがね。

どいつもこいつも大人も子どももイジメが大好きなんだ。他人の不幸を見て、自分の不幸を忘れたいんだ。自分だって崖っぷちのくせして、崖の下に落ちたやつに唾吐くんだ。そして言うんだ。ああ、よかった、自分は崖の上の人間でって

このセリフ読めただけで読む価値はあったと思う。崖の上とか下とかもそうだけど、集団でいるが故のストレス発散方法だったりもするんだよね。特に学校ってすごく閉鎖的だし、子供にとっては逃げ場がないものだったりもする。いつルールが変わるか分からないゲームに参加してるような息つまる感じはやっぱりしたくはないし、させたくないと強く思いました。