自分の顔が許せない!

自分の顔が許せない! (平凡社新書)

自分の顔が許せない! (平凡社新書)

突っ走り人生を実況中継するかのごとく披露している中村うさぎと生まれつき右側に大きな赤いあざを持っている石井政之との対談。顔に始まり自意識やらいろんな所を廻り廻った対談は興味深かったです。

みんなは「人間は顔じゃない」みたいなことを安易に言うじゃないですか。そりゃ、私だって人間は顔だなんて思っているわけではないですよ。だけど、「顔も人間の重要な一部でしょ」と思うんですよ。顔か顔じゃないかみたいな二元論に還元できない問題なのに、美容整形の話になると、一気に「人間は顔じゃない」みたいな話に飛んじゃう。やっぱり人って顔からその人の内面をうかがい知ろうとしてしまうじゃないですか。

私はすぐにこういう二元論にされるのがすごく嫌です。だってさ、「人間顔だよね」っていわれるのはやっぱいやっていうのがどこかにあるくせに「人間顔じゃないよ」っていうのを聞くとウソ臭いと思ってしまうからです。特に女性ってそうですよね。中村うさぎが整形をしたことによって他人から顔の話をされたとき、「だってこれ私の顔じゃないんで」と思えるようになった結果、顔への執着心が消えたっていうのはある種羨ましい。