この世は二人組ではできあがらない

この世は二人組ではできあがらない

この世は二人組ではできあがらない

山崎ナオコーラの自伝的小説。『浮世でランチ』『カツラ美容室別室』に続いて読んだ山崎ナオコーラ作品。前2冊からは書かれた時期的にも私が読んだ時期的にも離れていたため、山崎さんってこういう小説かく人だったっけ?と不思議な違和感を感じました。が、これはマイナスの違和感ではなくプラスの違和感。前2作は可もなく不可もなくって感じのさらっと読める小説ってだけだったけど、本作は好みでした。主人公が大学在学中から始まって作家デビューが決まるまでを描いている淡々と時間が流れる小説というとつまんなそうって思いきや、全然そう感じませんでした。私は主人公のことが好きだったし、彼女に共感することも多々ありました。でもこれは彼女が私と同世代だからかもしれません。そうじゃないとまた違った読後感の本になるのかなーと思います。