森に眠る魚

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音羽「お受験」殺人

音羽「お受験」殺人

99年に起こった音羽お受験殺人をモチーフに描かれた本。面白かったんだけど、ではこの話が好きかと聞かれたら好きじゃないなあと言うところ。実際の事件をモチーフにそこに角田流の味付けがされたこの作品。うーん、角田さんにはこういう風に見えてるのかーと思うとなんかちょっと…と思ってしまった。色々取材だってされたと思う。それらを元にこのテーマをどう描こうって考えて生まれてきたのがこの作品なんだろうと思う。でも私は違和感を覚えてしまいました。だって幼稚園児を持ってる母親って多かれ少なかれこういう感じなんでしょ?って言われたみたいで、そこのとこが何ともいえず。うまくいえないけど、枠にはめられちゃった感がいやだったのかもしれません。だって違うんだもんって言いたいから、好きじゃないんだろうなあきっと。
角田さんの描くちょっといきすぎた母性は恐ろしいなあと思いました。彼女たちは皆、形は違えど母性によって突き動かされている面があるのは事実です。でも、母性ってそういうものなのだろうかという疑問も生じます。
どこにでもいるようでいてどこかいきすぎている女を描くのが角田さんはうまいなあと思いました。好き嫌いは別として。最近ずーっと読んでなかったけど、昔に比べると随分作風変わったんですね。