Mother

面白かったし泣けたんだけど、うーん…といった感じでした。仁美(尾野真千子)の置かれた状況は非常に辛いものがあったし同情すべき点は多々あったと思う。離婚してシングルになって*1周りの援助が得られないどころかどんどん追いつめられていくのはそりゃ苦しかっただろう。でもね、だからといって玲奈(芦名愛菜)への虐待も仕方がなかったことなんだって情状酌量の余地あり、には私はしたくない。苦しくてストレス溜まりまくって子供を一瞬でも疎ましく思ったりすることはそりゃあるだろう、仕方がないだろう。母といえども人間なのだし。しかし、実際に行動をおこす人とおこさない人の間にはおおきな隔たりがあるのだと思う。その一線を越えるかどうかっていうのは大きな問題だ。
いつか来るとは思っていたものの、実際に子どもに親を選ばせるなんてきついですね。「ママは好きでも嫌いでもない」っていう言葉が重すぎました。だってそれってもう無関係ってことなんだもの。嫌いですらないっていうのはきつい。
小倉千加子が「つぐみがMother」と書いていたけれど、今回の仁美とのシーンにそれを感じました。でもってわずか7歳の子がその役割をせざるをえないことに涙。無理くりにでも大人にならざるをえなかったつぐみがかわいそうでした。あと、つぐみに母性を持たせるっていう役割があったからこそ、息子ではなく娘だったのではないかとも感じました。息子だったら仁美親子はまた違った道を歩んでいたのかもしれません。
今回の演技も神懸かっていた芦名愛菜ちゃん。「助けて」のとことかすごすぎる。末恐ろしい子役だわ。

*1:公式見ると離婚したって書いてあったけど、仏壇に元旦那の遺影が置いてあったのはなんなのだろう。仁美の中では元旦那は死んだも同然の人ってことだから?