魔王

魔王 (講談社文庫)

魔王 (講談社文庫)

ややメッセージ色が強いかなあと思うものの、そんなに嫌な感じはしませんでした。たぶん、ここで描かれている大衆の恐ろしさみたいなものについて私も怖いと思っているからなのかもしれません。大衆もマスコミも皆、カリスマを待っている。カリスマというか力強いリーダーといったほうのが正解かもしれません。小泉旋風の時、何が怖かったってそれが怖かったです。小泉元首相自体よりも彼を取り巻く大衆であったりマスコミであったりのあり方が怖かった。それはこの1年の政権交代でも感じたことだけど。大衆の恐ろしさ、それを理解したうえで巧妙に動く人々。うーんやっぱ怖いです。しかれども大衆ってそう簡単には変わらないんですよね。選挙があるたびにそう感じます。
あと、作中「魔王」という曲についての話は云々わかるよとうなづきながら読んでました。私音楽の時間に聞いて怖かったもの。いくら名曲とはいえこのストーリーのものを何故に子どもに聞かせるのかと。ちょっとしたトラウマです(笑)