終末のフール

終末のフール (集英社文庫)

終末のフール (集英社文庫)

私はこういう連作短編集が大好きなので面白く読むことができました。いつまでも緩やかに続いていくと思っていた日常がある日突然消え去りめちゃくちゃな日々のあとに訪れた束の間の休息。永遠には続かないのは分かっているけれども愛おしい時間。色々な人たちが出てくるけれど、誰もかれもがちゃんと生きているように私は感じます。そう、この生きてるって感じが私は好きなのです。現実には存在しない彼らだけどでもちゃんとその存在を感じれるというこの矛盾が私は好きなのです。お話としては「太陽のシール」「冬眠のガール」「演劇のオール」あたりが特に好き。