- 作者: 五十嵐貴久
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2003/10/10
- メディア: 文庫
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まあ、そんなこんなではまりつつも最後につり上げたのがリカで日増しにモンスター化していき生活が壊れていくわけです。玄関のノブに髪の毛貼り付けてみたり会社のパソコンにいたずらしてみたりケータイに電話かけまくってみたりのひどいスト―キング行為をされるわけだけども、でもこれって因果応報だよねって思うと読んでても怖くないというか。一応ホラーなんですけどね。ラストも推測の域を出ずちょっと残念な仕上がりでした。審査委員の一人であった桐野夏生が選評で「リカが何故モンスターになってしまったのかをもっと掘り下げた描いたほうのが面白い」的なことを書いてたけども私も同感です。そこを掘り下げることによってよりリアルな恐怖が生まれて面白くなっただろうになあと。モンスターそのものよりも、何故モンスターになってしまったのかのお話のがより怖さを生むのだと思います。人はモンスターに生まれるわけじゃない、でもモンスターになってしまう人がいる。