物語としてはさほど予想外の展開もなくさささーっと進んだように思います。読んでいて、これは読者に「あなたは
少年法についてどう思いますか?」っていう問いかけをするが為に書かれた本だと感じました。私としては現行の
少年法に満足しているかといえばはいとはいえません。
少年法というのはあくまで罪を犯してしまった少年の更生に重きを置いてるからどうしても被害者サイドへの配慮が足りないのじゃないのかなーと感じてしまうので。げんにそこを逆手に取ってる子っているしね。大体、更生って何なんだろうかって本当に思う。そこら辺は『心にナイフをしのばせて』を読んだ時にも強く感じました。むしろこちらはノンフィクションだけに非常にやりきれない思いでいっぱいになりました。彼は更生をしたとはいえるでしょう。弁護士という社会的に信用のおける職業につき、立派な社会人として生活をしているんだから。でも被害者及び被害者遺族への気持ちを考えたとき、彼は更生したと果たしていえるのかどうか。こういうもやっと感が
少年法にはつきものだから色んな議論が起こるんだろうなあ。