- 作者: 小倉千加子
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2010/04/20
- メディア: 単行本
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これから先、社会情勢が変わるにつれ結婚観というのは更に変化していくと思います。『結婚の条件』『結婚の才能』に続いた本が出版されるとき、また色々と考えてみたいなあと感じました。
「長女は、母の母である」という言葉がフェミニズムにはある。
母は、長女の中に「あなただけは私を分かって」という期待をする。実際、長女の母の人生の意味を肯定し、無意味を補填するように無意識に生きはじめる。
母は娘にとって最大のモデルであるというだけではない。母の自己犠牲に満ちた生活を、生物として元気な女の時間を、娘は子どもとして消費してきた。その負い目がある。
女性がキャリアを重視し、競争に勝とうとするのは、その父の鼓舞による。が、結婚に回帰しようとするか否かを決めるのは、その母である。
結婚だけじゃないんだけど、良くも悪くもその人の価値観の形成であったり判断の基準となるのは家族だと思います。「母のようになりたい」であったり「絶対に母のようにはなりたくない」も結局は母という檻から出れていないという意味では同じなのだから。特に第一子が女の子である場合はこの色合いが強く出るのではと私は思います。母と娘というのは供依存関係に陥りやすい故に起こるのでしょう。
作家は第一作にその生涯のテーマを既に書いているというが、作家にならない人の場合、卒論のテーマがその人が生涯抱えていく本人の知らないテーマであると思う。
自分に当てはまりすぎてて怖って思いました。私どんぴしゃです。内容的には超浅くてよくも恥ずかしげもなくこんなものを卒論として出せたものだなーおいっていう感じなのだけど。当時はとにかく卒業するためにはこれ書かなきゃっていうのに必死でよりよい卒論であったり違った角度からの考察であったりが二の次という恥ずかしい学生でした。先生、本当にありがとうございました。振り返ってみれば、後にも先にもこんな長いレポート*1を書く機会なんて二度とないわけだからもっとしっかり頑張って書けばよかったなあと思います。とにもかくにも私が選んだテーマは自分の中での一生のテーマでもあったわけなんだし。
*1:論文というにはあまりに拙い代物