桃色トワイライト

桃色トワイライト (新潮文庫)

桃色トワイライト (新潮文庫)

家族とのあれこれの話や面白妄想話に加えて、新撰組!にはまったのをきっかけにオダギリジョーにおちてしまったしをんさんの話が非常に面白かったです。いつも読んでて思うんだけど、何を書くかも大事だがどう描くかというのも非常に大事なんですよね。せっかくの面白話も描き手がまずければ全然面白くないし、何気ない日常の日とこまでも描き手によっては超面白話に変換されるというのがよくわかります。このことは解説でも触れられていて、

日常の面白い出来事を面白く書くのは、簡単そうに見えて、じつはすごく難しい。それは選ばれた人にしかできない、大変に高度な技を要求される芸なのだ。そのことに気づかされるたびに、ああ、自分が三浦しをんであったら、と地団太を踏みたくなる。

解説読みながら大きく頷いたのはいうまでもないです。文庫版についてくる解説って私にとっては割とどうでもいいものであれば読むしなければないでも平気。書いてある場合は「ほうほう、この作家さんはこの人に解説を頼むのね、なるほど」というぐらいのスタンスです。でも、この解説は別。ちゃんとしをんワールドを分かってて素晴らしいなあと感じました。