マドンナ・ヴェルデ

理恵(国仲涼子)がみどり(松坂慶子)に代理母を頼むあたりが見ててもやっとしました。だってさ、理恵は知ってるんだもの、最終的には絶対にみどりは断らないだろうってことを。辛い体験をして追いつめられていたからとかじゃない。直感的なものが働いてたんだろうなあと思いました。母とはそういう生き物だろうという確信があったはず。ドラマの中でこんなやり取りはなかったものの、もし理恵が「子供を産んだことのあるお母さんには私の気持ちなんてわからない」なんて言ったらみどりには何も言えないことを分かっていたはず。「ごめんね、理恵ちゃん」としか母は言わないだろうと。
生殖かかわる問題というのは非常にナーバスなものだと思います。故に難しいというのも確か。私は基本的に夫婦間で完結することならばとことん納得いくまでやればいいと思います。でも第三者が関わるAIDや卵子提供・代理出産には異を唱えたいです。だって生み出されるのは命だから。意志を持った人間になるのだから。不妊で悩んでる人にとってこれらの技術が希望の光になるのはわかってる。だけど子供の意志はどこにあるのだろうか。ふとしたことで自分のルーツがわからないことによってアイデンティティの混乱が生じて不安定になったりすることだってあるというのに。子供には自分のことを知る権利があります。でもそれが行使できなくなってしまう。
三者が関わるものについては医療の分野のみじゃなくて本当は他の分野の人も入れて話をまとめてかなきゃいけないんだと思うんだけどなあ。もっと「大人」だけじゃなく「子供」のことを考えてあげてもいいんじゃない。まあでも私がそういえるのは子供産んでるからでしょ?とか言われたらそうなのかもしれない。でも一応、昔っからそういう考えではあったんだけどなあ。