- 作者: 本田和子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2009/11/01
- メディア: 新書
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これはどこの国でもだけど、多産多死から少産少死へと社会が成熟するとともになるものらしいです。それは必然とのこと。歴史が証明してるんだもの。しかし、「子供=将来の納税者」が減るのは困るからと少子化対策が色々と打ち出されています。
少子社会のシステム構築やそこで成長する子どもたちへの対策ではなく、女性たちに「多く産んでもらう」ための対策といえそうである。(中略)ここに提示されている少子化対策とは「出生率」のこれ以上の低下を防ぐことを意味しているわけで、少子化対策というにまして、より正確には「多産奨励対策」というべきであろう。
そうなのだ。少子化対策で行われているのは結局のところ、産めよ増やせよという身も蓋もないことだ。でもね、これ失敗してるんですよね。だって私が子供の頃からずーっと行われているはずなのにやっぱり子供の数は増えていないんだもの。なんでそんなことになっているのかと言えば、この本でも書かれているんだけども産児数制限というのは女性の長年の願いだったから。少なく産んでよく育てる。それは歴史が語っていることです。多産に悩む女性はたくさんいた。産児数コントロールができるのならばしたかったが避妊方法がわからず困っている女性はたくさんいた。そういう時代があったのは事実です。
私が少子化対策で違和感あるとこって何なのかなーと思ったら「子供=将来の労働人口=将来の納税者=社会保障を支える人たち」という図式が嫌なんですよね。いやだといったところでこれは事実なんだけど。でも、子供は社会のシステムを維持するために存在するんじゃない。労働人口の人たちは高齢者を支えるためだけにいるんじゃない。今現在の彼らを大事にしたいという思いが伝わってこないのが嫌なんです。
もうさ、多産を推奨したとこで劇的に増えることはないと思うんだけどなあ。だからこそ、今必要なのは楽観視した理想の数字によるシステムを考えるんじゃなくて現状を未来をちゃんと見据えたシステムを作ることだと私は考えます。でも70,80の政治家に50年後を見据えた政治をしてくれっていうのは無理な話なんでしょうね。だって彼らには関係がない世界なんだもの。そういう意味でもっと若い政治家が増えるというのも大事なのかもしれないと思います。今だけじゃなく、未来を考えるという意味で。経験不足をかさに着てやいのやいのいってたらいつまでたっても変われないと思うのよ。