星間商事株式会社社史編纂室

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楽しかったなあ。小説内小説もおいしく頂きましたよ。形式としては『ロマンス小説の七日間』と一緒。あちらがいまいちはまりこめなかったのでどうかなあと思ってたらあれよあれよと読めちゃいました。サクッと読める分、読み終わった後に残るものが少ないかもしれないけれども私はたまにはそういう小説があってもいいじゃないって思うし、楽しんだもの勝ちっていうのもありじゃないでしょうか。この小説、何よりもしをんさん自身が楽しんで書いてたんでしょうね。でも独りよがりになることもなく、読者サービスも考えて書いてあるところがやはりプロ。商業ベースに乗せるっていうのはそういうことなんですね。趣味だけで突っ走るならば商業誌じゃなくとも発表する場はあるんだもの。
以下、小説から脱線した話。
私は御多聞にもれず属性としては主人公幸代と同じ人間なので読みながら「わかる、わかるその気持ち」っていうのがあって面白かったです。オタクあるあるですね。しかも腐ったほうの。確か作中、「国会中継与野党党首討論のじいさんたちを見て萌える生活は嫌なの!」みたいなことを実咲が言ってたシーンは笑うしかなかったです。そうだよね、症状(?)が進むとそういうとこにまでいきついてしまうよね…。最初からその境地に至るわけじゃなく徐々に進行していくのよね。この本では触れてなかったけど人以外の物とかね。業が深いな、オタクって。
基本的に女性って関係性に萌える人が多いんですよね。びーえるって結局はそういうことだと思うし。関係性の物語がびーえるだと思うんです。だからびーえるじゃない男女のカップルなのにびーえるっぽいのもあれば*1、びーえるのはずなのにまるで男女のカップルのようなものあったりでこれはびーえるとは違うよねと感じたりも。
とはいっても私も昨今のにはとんと疎いのであんまわかってないですが。どんなのが流行ってるんだろうか。さっぱり。一応、足は洗ったので。とはいっても三つ子の魂百までとはうまいこといったもので、腐った魂も百までなのです。これって思考回路の問題だろうなあ、とほほ。

*1:ケイゾクの2人みたいな感じとか。