- 作者: 近藤史恵
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/09/30
- メディア: 単行本
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タイトルの砂漠の悪魔とはサフラン砂漠で行われてた地下の核実験のこと。主人公たちは砂漠を見に行き、被爆してしまう。中国の民族問題にも触れてるし3.11以前だったらもっと違った感想を持ったんだろうなあと思います。でも今は無理。もちろん核実験と原発は違うものだっていうのは百も承知。だけど思いをはせずにはいられませんでした。被ばくをした主人公はある意味自業自得の面はあるのであれだけど*1、でもそうじゃないのに苦しんでる人たちはたくさんいる。そういうのを他人事にしてずーっときてたつけは絶対に払わなきゃいけないんだよなあ。
ラスト、本当の悪魔は人じゃないと主人公は言うのだけどでもそれは当たりでもありはずれでもあると私は思います。だって被ばくは恐ろしいものだけどそれは自然現象じゃないんだもの。人災だ。故に私は人間は恐ろしいものだって思うのですよ。真の悪魔は人間だ。
*1:元々友人にあんなひどい悪意を発動させなければよかったんだもの。じゃなければやくざに脅されることも中国にいくことも被ばくすることもなかったのだし