砂漠の悪魔

砂漠の悪魔

砂漠の悪魔

悪意を持った事によって友人を自殺に追い込んでしまった主人公。それによってやくざに弱みを持たれ運び屋をしに中国大陸へ行った事から流浪の旅へ出る話。うーんちょっと話があっちこっちいって結局一番大事なテーマが何だったのかなあという印象がなくもないけども、オチの部分でやられました。まさかタイトルの意味がこれだとはねえ。打ちひしがれるしかないです。以下ネタばれ触れてるので畳みます。
タイトルの砂漠の悪魔とはサフラン砂漠で行われてた地下の核実験のこと。主人公たちは砂漠を見に行き、被爆してしまう。中国の民族問題にも触れてるし3.11以前だったらもっと違った感想を持ったんだろうなあと思います。でも今は無理。もちろん核実験と原発は違うものだっていうのは百も承知。だけど思いをはせずにはいられませんでした。被ばくをした主人公はある意味自業自得の面はあるのであれだけど*1、でもそうじゃないのに苦しんでる人たちはたくさんいる。そういうのを他人事にしてずーっときてたつけは絶対に払わなきゃいけないんだよなあ。
ラスト、本当の悪魔は人じゃないと主人公は言うのだけどでもそれは当たりでもありはずれでもあると私は思います。だって被ばくは恐ろしいものだけどそれは自然現象じゃないんだもの。人災だ。故に私は人間は恐ろしいものだって思うのですよ。真の悪魔は人間だ。

*1:元々友人にあんなひどい悪意を発動させなければよかったんだもの。じゃなければやくざに脅されることも中国にいくことも被ばくすることもなかったのだし