下流の宴

珠緒が大学受験のために頑張りはじめたあたりから翔ちゃんとはうまくいかなくなっちゃうんじゃないのかなーとは思ってたけどいざ別れるとさみしいです。かわいいカップルだったのになあ。でもね、これは仕方がないんでしょうね。翔ちゃんは結局翔ちゃんのままだったもの。色んな物語で変わらない事を描いてるものはあれどもこれはきつかったです。この変わらなさはプラスとはいい難いから。翔ちゃんには翔ちゃんのいいところはある。だけど、彼がこの先年をとっていく事を考えるときついなあと思うのです。
ただでも、翔ちゃんの場合、やはり母親の影響がすごく大きかったという事を差っ引くとちょっとかわいそうだなあと。たぶんだけど、翔ちゃんの家庭環境を一切知らずにいた場合、私は翔ちゃんにイライラしちゃうと思うんです。でもあの母親見てるとどうしても翔ちゃんよりに物語を見てしまう自分がいます。原作未読だから何ともいえないけれど、本来的には女性読者が由美子に色んな意味で気持ちを寄せながら物語にダイビングするタイプの話だと思います。自分の生き方は間違っていたんだろうかなどと考えてみたりね。
本当は私だって子供にはある程度ちゃんとした道歩いて欲しいと思うし、そうなるようサポートしたいです。でもそれも一長一短なんですよね。由美子にシンクロせずああいう母親を持ってしまった翔ちゃんの不幸に気持ちを寄せてしまう私は、無理に頑張らせようとすることに疑問を持ってしまいます。ああでも人生ある程度の頑張りは必要よとも思うし。難しいですね。