スコーレNo.4

スコーレNo.4 (光文社文庫)

スコーレNo.4 (光文社文庫)

一人の女性が少女から大人の女性になるまでを中学時代、高校時代、就職間もない頃、就職して3年目と4つの短編を重ねることによって描いた作品。瑞々しいっていうのはこういう空気を言うんだなあと思いました。少女期ならではの感じだとか大人への階段を上がる感じとかが私は好きです。
主人公は年子の妹に対してコンプレックスを持っていて、そのために高校卒業後家を出ます。このあたり、気持ちはわかるものの、もしうちの娘たちが姉妹でそのような感情を持ってしまったら…と思うと寂しくなってしまったりもしました。親としてはいつまでも仲良く過ごして欲しいもの。でもこれも成長の一つなんですけどね。もちろん、姉妹の心が離れ離れになったまま終わるわけもなく、読後感もよい爽やかな物語にはなっています。
私は4つのお話の中では最後のお話が一番好み。もうねーこれは私の少女漫画脳がキュンキュンいうてました。全体的に少女小説的ではあるんだけど。あーいいなあこういうのってちょっとにやにやしながら読んじゃいました。色んな要素を詰め込みつつ、最後にほわっと幸せな気持ちにさせてくれて楽しい読書となりました。