それでも、生きてゆく

最終回の一個前の回までが毎回怒涛の嵐ばかりでどのようにまとめるのかなーと思ったらなんとも穏やかな終わり方でした。ともすれば、長いエピローグ的なぬるさを感じさせかねないんだけどもむしろ逆のベクトルに働いてたと思います。思えばmotherもそんなドラマだったもの、坂元先生がこのような最終回を用意してるなんて事わかってたはずなのにすぽっと頭から抜け落ちてました。
本当によいドラマだったなあと改めて思います。視聴率的には振るわなかったけど、だからといって中身がないドラマではなく質が高かったのがよかったです。しかもちゃんとそのテンションを最終回まで維持できたのが素晴らしい。これは役者・脚本・演出・音楽全てが揃ったという奇跡的なドラマだからこそなんでしょうね。中々揃わないよ、これ。でもってそういうドラマに出会えたことに感謝したいです。嬉しいねえ。
双葉が百合ちゃんのお母さんになる宣言は普通だったら「は?」ってなるとこだろうけど、この流れだったら双葉だったらそういいだしてもおかしくないよなあと思えるあたりきちんと積み重ねたものが感じられました。キャラクターに無理がないんですよね。きちんと心情を追ってきたからこそ、キャラクターを描いてきたからこそ見てる側に伝わるものがある。このドラマは説明を省いてるが故に伝わりにくい部分であったり視聴者が想像するしかない部分があるけれども、それは作り手が受けてを信じてたからこそできた事なんじゃないのかなあと私は考えます。だってさ、不安じゃない普通は。ちゃんと伝わってるかな、わかってくれてるかなって。だからこそ説明過剰になってるものは色々とあります*1。ああ、視聴者信じてくれてるのね、現場のみなさんと思うとねえ私は嬉しいのですよ。
どんなラストシーンを持ってくるのかしらと思ったらば洋貴が15年延滞してたビデオを返却するシーンだとは思いもしなかったです。ギャフンといいそうになったじゃないですか(笑) ああ、坂元先生はこちらの斜め上を行く人なのですね。延滞料金いくらだよとかつっこみつつも程よい終わり方でよかったなあと思いました。キレイな景色をラストカットに持ってきてよかったけれど私はやっぱりこのオチが好きだ。止まっていた15年が動き出すっていう象徴シーンでもあるしね。
何はともあれ、役者さんスタッフさんみなさんお疲れ様でした。とっても素晴らしい3カ月を過ごさせてもらいました。ありがとう。

*1:そういったもの抜きにただ単に稚拙だから説明過多のものもあるけど