まともな家の子供はいない

まともな家の子供はいない

まともな家の子供はいない

機能不全の家に育つ子供たちの話。家族が家族として、親が親として機能してないが故に家の居心地が悪く居場所がない感じがして図書館や友達の家で彼女らは時間をつぶそうとします。親が親でいてくれないとき、子供はどうしたらいいのだろう。主人公セキコの友達ナガヨシは買い物依存症の母親に対してまるで自分のほうが母親であるかのごとく振舞います。これはある意味一つの方策なんだろうが、なんとも言えない気持ちになります。子供には子供でいる権利があるのに。

親はみんなおかしい。人間は家庭をもつとあんなふうに道理が通らなくなるものなのだろうか。家というものは、まともではいられなくなるほどのものなのだろうか。それとも単なる加齢による精神的な劣化現象なのだろうか。

家族ってねえ、家族なんですよ(意味不明)。そもそもまともな家って何なのだろうか。何もニュースになるような家族だけが特殊なわけじゃない。一見まともに見えていても一歩内側に入ればまともじゃない家なんかたくさんある。それでも彼女らは自立ができる年齢になるまでは家族という箱の中にいなければいけない。親の庇護を受けられようとそうでなかろうと子供は子供だけでは生きられないのだから。それゆえに私たち大人はその事に無自覚でいてはいけないし、それを驕ってもいけない。そういうふうに思いました。