- 作者: 北山猛邦
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2008/11
- メディア: 単行本
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「人を殺すのはいけないことだよね……」
「ああ、それは絶対にいけないことだ」
「人が殺されて、何事もなく世の中が回っていたとして……すべてが丸く収まっていたとして……それでも犯人を告発するのはいいことかな?」
「いいか悪いかの問題ではないな。やらなきゃいけない。それが『正しい』ってことだ」
「名探偵は『正しい』?」
「そうとも限らないが……」
人生を懸けたトリックで他人を殺害し、運命を変えようとする人々。探偵はその運命を矯正する力を持つ。それだけに躊躇する気持ちはわからないでもない。名探偵は他人の運命を破壊するだけの力を持っている。
探偵とワトソン役であり語り手である作家との会話。こういう会話をさらっと入れてきちゃうとこは好き。事件に関係する話ではないのでなくとも成立するんだけどこれがあるのと無いのとで印象が違うのでいれて正解かと思いました。