緑の毒

緑の毒

緑の毒

開業医であるが妻の浮気を知り見知らぬ女性をレイプする夫と彼に関わった色んな人たちの話。桐野夏生ってやっぱり露悪的。どいつもこいつもひっどいなあって思っちゃうのでそれによって物語と読者の間に距離ができるのが私にとっては楽です。共感しなくていい物語のがいい時もあるなあって思いました。物語との間に距離ないときついこともあるしね。
ちなみにタイトルにある緑の毒とはシェイクスピアの『オセロ』に出てくる比喩で嫉妬のことだそうです。嫉妬は人を狂わせる恐ろしい毒であるのは間違いなしだし、古今東西共通するテーマでもあります。嫉妬って愛情あってこそなのかもしれないけど、一歩間違えば暴走モンスターになりかねない恐ろしいものです。あー怖い。