13篇の短編を収録した短編集。ゾワゾワする、ひたすらそのゾワゾワとした薄気味悪さ（褒め言葉）にびくびくしながら読んだ本でした。基本的に本谷作品ってハイテンションなんですよね。ハイテンションだけど中身は狂気をはらんでる。それ故に妙な高揚感が生まれて結果として作品のまとう空気は陽になっています。しかし、この本は同じように狂気を描いていながらもまとう空気は陰です。同じ作家さんが同じように狂気を描いていながらも、作品をどうまとめるかで陰陽が分かれるというあたり、日常と非日常やホラーって
紙一重なんだなあと思いました。
