Woman

自分が幼い頃を思い出しながら故郷を訪ねる信さんを演じる小栗さんがすごくよかったです。このドラマ、みながみなはまり役だと思うしその役がその人である必然性をすごく感じるのですが、信さんに関しては小栗さんはいい芝居をしてるけど小栗さんでなければいけないとはそれほど強くは感じてなかったのですね。だけど、今回のお話に関しては役者小栗旬だからこそ表現できたんだと思いました。信さんという人はまっすぐな人でありながらも複雑な思いを抱えた人です。キラキラ日が当る場所だけで育ってきたわけではなく、そうではないところを一生懸命サヴァイブしながら生きてきたんです。
ネグレクトの家で育った子があんなにまっすぐないい子に育つのだろうか、そういう疑問はあります。だけど、子供の信さんにしたら母を信じて母を頼りに生きるしかなかったのです。そうやって必死になってサヴァイブしてきた自分を否定したくなかったのではないかと思います。否定せずにそっと抱き締めてあげたかった。だからこそ、信さんは母を否定しなかったのではないでしょうか。
栞がいつ改心するのかと思ったらこのタイミングだったのですね。しかもそれが信さんの手紙きっかけでなおかつ痴漢冤罪の罪を着せてしまったことまで告白してしまうとは坂元先生は鬼ですな。思うに栞は心に重いものを背負ったままの状態を脱したかったのではないでしょうか。自分一人では背負いきれないから誰かに背負って欲しい、そしてその相手はできれば相反する思いを抱いている姉であって欲しかった。あとは、栞は罰して欲しかったのかなあとも感じました。だって誰も彼女を罰してはくれないから。