人魚姫 探偵グリムの手稿

人魚姫  探偵グリムの手稿

人魚姫 探偵グリムの手稿

アンデルセンの童話『人魚姫』の後日譚。恋が叶わず泡となって消えてしまった人魚姫、彼女が亡くなった2日後に王子が殺害されその嫌疑をかけられてしまったのだ。亡き妹の名誉を晴らすために真犯人を探す人間の姿になった人魚姫の姉とハンスことアンデルセン少年とグリム青年によるメルヘンミステリ。
おとぎ話を下敷きにメルヘンチックな世界を保ったまま展開されるのが面白いなあと思いました。それに加えて世界史までも盛り込んであり、史実と虚実がミックスしていることがわかる瞬間はニヤッとしちゃいました。事件の真相はおとぎ話らしい側面と北山作品らしい物理トリックとを織り交ぜたものになっています。そこらへんがメルヘンミステリっぽいなあと感じました。
探偵コンビはキャラ立ちもいいし、童話の後日譚をミステリにするシリーズ物とかになったらいいのになあ。北山作品は地上からふわっと浮き上がった雰囲気がいいなあと思うのでそれを生かしてリアルを追求するよりふわふわした独自の世界観を大事にした作品書いていって欲しいなあ。