誰かが足りない

誰かが足りない

誰かが足りない

予約の取りにくいレストラン・ハライに同じ日に予約した6組の客がハライに訪れるまでの話。手に取った時、サスペンスチックのお話なのかなと思ったけれど、そうではなく足りない誰かを思う幸せについて書かれた本でした。

誰かが足りない。
そう思えるのは、もしかしたらしあわせなことではないだろうか。足りない誰かを待つことができるから。満たされる日を夢見ることができるのだから。

足りないというとそれは欠落があるのであって不完全なことを指します。だけどそれを決して不幸なこととはせずに満たされる日を夢見ることができる幸せな日と置き換える発想の転換が面白いなあと思います。足りないことを知らないよりも足りないことを知ってその上で満ち足りた日の事を思うのは考える以上には不幸ではないのかもしれません。