BORDER

あー面白かった! 全9話がぎゅぎゅっと詰まっていてとっても濃いドラマでした。こんなゾワゾワした終わり方になるなんてたまんないです。石川が越えた瞬間、ぷつっと途切れておしまいだったので余韻が半端ないです。あの終わり方は尾を引きますね。実際、見終わってしばらくは興奮したままだったし。一晩明けた今でも反芻してるしね。
全話見終わった今、このドラマがいかに計算されて作られたのかがよくわかります。あのラストシーンをいかに効果的に見せるか、そこからすべては逆算されていていました。石川が越えてはいけないラインを越えた瞬間、そこを視聴者に最も印象付けて終わるために上手に配置された物語だったなあと思います。あの瞬間のためにこの物語は用意されていた。
それにしても役者小栗旬のすごさを改めて感じました。BORDERは小栗さんの代表作の一つになるんじゃないのかなと思います。感情を抑えて淡々としていながらも弱者の声に耳を傾け正義に傾倒していく危うげな石川を好演したのはまた新たなお仕事につながっていくんじゃないのかなと思いました。それにしても何が怖いって金城一紀は石川役を当て書きして描いたってことです。5話ゲストのクドカンが当て書きなのは知ってたけど石川が当て書きなのは見終わった後に知ったのでびっくりでした。そっか、ああいう危うさがある人だっていう風にも見えるんですねえ。
脚本・演出・役者・音楽とそろったドラマを見ることができてうれしかったです。尻上がりに面白くなっていったのも視聴者としてはとてもうれしいことでした。ありがとうございました。途中までは2期見れたらいいなーなんて暢気に考えたりしてたけどこの終わり方では少し厳しそうかな。あそこでぷっつり物語が閉じてしまってるしその閉じ方がこれほどきれいだと下手に続きをやらないほうのがいいだろうしなあ。