- 作者: 道尾秀介
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2013/01/09
- メディア: 単行本
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ちなみにタイトルにあるハーレキンですが、道化師の総称だそうです。道化師に涙を描くとピエロになるので、ハーレキンは笑顔の道化師ということになります。
自分を守るため、誰かを守るため、みんな懸命に素顔を隠して生きている。そうして人の顔や心を鎧っていたものが、ある時剥がれ落ち、内側がむき出しになったとき、東口が厄病神と名付けたものが貌を持ち、言葉を騙る。道化師たちを操ろうとする。だから人には仮面が必要になる。どうしたって、それを被って生きていかなければいけない。――ただ。
どうせ素顔を覆うなら、笑顔で覆ったほうがいい。
私がもっとも好きな文章はこちら。ピエロとハーレキンは表裏一体です。どちらの仮面をかぶって生きていくのか、それは人それぞれ。だけど同じ仮面をかぶるならば笑っていられるほうのがいいんじゃないか。そういう突き抜けかたをできるのはエンタメとして気持ちがいいですね。