ごめんね青春

バタバタっと転校していってしまった中井さん。そんな彼女と東京であったんだけど、あっという間に東京に染まってしまっていてちょっとビックリしてしまいました。いやーでもそういうものだったりもするよなあそれが若さであり青春だったりするよなあと思ってたら、中身はいつもの中井さんのままで少しホッとしました。そうだよね、人間そう簡単には変われないよね、でも立ち止まったままでもいられないよね・変わることと変わらないこと。正反対なようでいて実はそうではなくてどちらも同じくらい大切なんですよね。
今回のメインはコスメとコスメ父の問題です。クラスメイト=世間とは折り合いをつけられたコスメだけど、父とは折り合いをつけれてはいませんでした。コスメ父にとっては、コスメは大事な大事な息子です。息子以外の何物でもありません。そんな息子が実は息子であるという事を窮屈に感じていて息子ではない道を歩みたいと願っていたというのはコスメ父にとってはとても辛いことです。これが赤の他人の事であったらもしかしたらもっとすんなり受け入れられたり理解を示すことができたかもしれません。しかし、あまりに身近すぐる存在故にそれは彼には酷でした。
コスメ父は本当にコスメを愛してたんですよね。だから、息子を理解しようと性同一性障害の本を100冊も読んだりマックスバリュに助走して買い物に行ってみたりしました。息子の気持ちに少しでも寄り添えたらと思ったから。しかし、自分の中にないものを理解するのはすごく難しいことです。ましてや受け入れるのは。コスメだけではなく、コスメ父もまた悩んで苦しんでるんだなというのが伝わってきました。
ロッキーの中身がどこへ行ったのかを気にし続けたのはそれがコスメ父にとって大切なことだったからです。自分の思いが息子に無理をさせていたというのを認めたくはなかったからです。でも、中身が違っていた以上は戻すことはできません。コスメが父に寄り添ってくれてようやくコスメ父は今の息子を正面から見ることができました。父を動かしたのは息子の愛。
難しいテーマをどう落とすのか気になっていたけれど、なるほどうまいなあと思いました。コスメ父をこういった形で描いたことで両方の立場から視聴者が見ることができてよかったなあと感じます。