さよなら私

入れ替わりものというSF物では手垢がつきすぎた設定を大人のための童話としてうまく落としこんだなあと全話見終わった今、思います。友美にとっても薫にとっても入れ替わっていた間の時間は神様からもらった時間だったのでしょうね。いいこともそうじゃないこともあったけど、それら全部ひっくるめて特別な時間だったのだと思いました。
このドラマは大人のための童話であるために、エピソードを選んで描いていたのかなあと感じます。友美と薫、閉じた2人のためだけの物語だった、そうも感じます。だから、それ以外の人たちは必要以上には描写しなかったのかなと。極端ないい方をすれば、大事なのは主人公2人であってそれ以外は彼女たちの世界を彩るための周辺だったのだと思います。
それにしても最後は疑似家族を肯定するような終わり方だったのにはビックリ。うーーん、これが脚本家としての岡田さんの家族論なのかなあ。1人減った家族が2人増えるという終わり方にはビックリせざるをえません。血縁や愛情だけが家族を維持するわけじゃない、寂しいから一緒にいたい、それだけで十分家族になれるのかーって。家族ってそもそも何なのだろうか、その疑問がぐるぐる頭の中をめぐってしまいます。