学校のカイダン

スクールカーストものということで見ててちょっと辛いなあというシーンがあったものの、それ以上にカタルシスを得られる内容で面白かったです。神木くん演じる慧が古美門、広瀬すずちゃん演じるツバメが黛の立ち位置になった学校版リーガルハイっぽい雰囲気は悪くはないです。
ヒロインの広瀬すずちゃんの溢れんばかりの透明感はたまらなくよいですね。お人形さんのようなかわいらしい容姿でありながらも、その中に秘めたる強さがあるように感じられるのでそれもいいなあと思います。初回を見る限り、キャスティングはばっちりではなかったのかと感じます。
黒神木が堪能できるのもこのドラマのキャストの魅力の一つです。神木くんってこういう黒い役もできれば、天使みたいな役もできるし普通の子の役もできるのでそこがいいなあって思います。子役から俳優への移行っていうほどたやすいことではない中、いい感じにきてるのがとっても嬉しいです。
学校が舞台であること、スピーチで世界を変えていく話らしいということ、その2点しか知らずに視聴したのですが思っていた以上に直球勝負てきていたことに驚きました。まあでも、ツバメの演説に説得力を持たすためにはそれぐらいストレートにしたほうがよかったのでしょうね。世界はそう簡単には変わらない、でも勇気を出して一歩を踏み出せば少しずつならば変えていくことができるのかもしれない。そういう小さな、でも大きな一歩を描いていたと思います。
テレ土9というのはメインターゲット層を10代に据えた枠になります。彼らに届けるためにはどうしたらいいのか、それを考えた結果こういう作りになったのだとすれば私は十分ありだったと感じます。過去に放送された土9の良作はみな、子供たちに対して真っ向からメッセージを送っていました。子供相手だからとごまかすことなく真摯に向かい合おうとする大人が私は好きです。子供相手だからと子供騙しにしてしまっては子供には響かないと思うもの。子供ってそんなに単純じゃないよ。
ツバメが演説の中で中学時代に周りの空気に流されて自分もいじめに加担したことがあるという告白をしたのには驚きました。下に行きたくない、ターゲットにされるのはいや、だから周りに合わせて空気を読んでいたことがある。そう告白したツバメ。スクールカーストは固定されているように見えて実は流動的な側面もあります。何かひとつ起これば上の子が下へ行き、下の子が上の子にカウンターパンチを食らわせるなんてことは十分あり得るのです。そういった怖さを描きつつも、最終的にどこへ連れて行ってくれるのか。それを楽しみに今後も視聴していきたいと思います。
初回を見た感想としては、土9的良作のにおいがぷんぷんするので嬉しい限り。見逃した方も今ならばオンデマンドで無料で視聴できるのでよかったらどうぞ。