あの日にドライブ

あの日にドライブ

あの日にドライブ

もし、あの時ああしていたら違った今があったのかもしれない。人間誰でもそう空想してしまうことがあります。特に、今が上手くいっていないのならば。
主人公牧村伸郎は1度上司に「はい」といわなかったがために銀行員としてのエリートコースを外れてしまいます。結局、辞職した伸郎はタクシー運転手に転職するのですが、元銀行マンとしてのプライドがどうしても捨てれません。来る日も来る日も「もし、あの時違った道を選んでいたら」と妄想ばかりしています。この妄想はどんどんエスカレートをしていって、結構笑えます。道行くサラリーマンのお父さんたちの中にもこんなことを考えている人もいるんでしょうね。「もしあの時違う職業に就いていたら」「もしあの時の彼女と別れずに結婚をしていたら」考えずにいられないのはわかるけど、伸郎の場合はバーチャル世界が行き過ぎてて面白いです。
結局、どんな選択をした結果今がどうなっていようが自分次第なんですよね。伸郎がそのことに気づいていく過程がよかったです。妄想通りの選択をしたとしても、不満ってきっと出るんです。で、同じように妄想するんです。人間ってそういう風にしか生きてないんだもの。