平成大家族

平成大家族

平成大家族

元歯科医の緋田家の当主龍太郎72歳とその妻春子と認知症の春子の母タケ92歳と引きこもりの長男克郎30歳でのどかに住んでいたのが、あれよあれよの間に旦那の事業失敗で息子とともに転がり込んできた長女逸子と離婚して出戻ってきた次女友恵を抱えて大家族になった緋田家の日々を描く家族小説。面白かったです、すごく。楽しくてサクサク読めました。色々な話が家族の中の誰かの視点で語られるんだけど、みんな家族のことがわかってるようで全然わかってない感じとかが上手いなーと。感じとしては平安寿子の「グッドラックララバイ」に似た感じ。こちらもちょっと変わった、でもどこかにいそうな現代家族小説です。
父親の事業のの失敗から私立中学から公立中学への転校を余儀なくされたさとるの中学生活を描いた「公立中サバイバル」と、引きこもりの長男克郎の生活を描いた「ネガティブ・インディケータ」が好き。これだけみんなが好き勝手にされたら大変だろうけど、でもこの家族が私は好きです。